OMATSURIKOZO's talk salon


ランダムアクセス 2005年8月号
連載220回

パソコンの素人には
今のパソコンスペックは?

安くてもハード・ソフトともOKな時代
プラズマはこのまま液晶に負けてしまうのか
 


お祭り小僧のランダム・アクセス

 子供達の夏休みが始まりましたが、私たち大人は暑い中をせっせと働かなくてはなりません。みなさん、頑張ってられますか。夏休みに入ると私は町内の子供達と一緒にラジオ体操に出かけなくてはなりません。近所の公園に集まってくる子供達の前で模範体操(?)を行います。大体朝寝坊が大好きな私にとってこれは大変なことですが、元気に走り回るちびっ子達と一緒に清々しい朝の空気の中で体操をするのはちょっと気持ちいいかも、なんて思っているところです。

まだまだパソコン売り上げは伸びている?

 全世界で今期パソコンの出荷量が増えているって記事を見ました。ノートパソコンの伸びが大きいそうですが、低価格になったデスクトップの伸びているそうです。もうそろそろ出荷量も頭打ちになるのかなと思っていたら、まだ伸びていると聞いて少々驚いてしまいました。昔は一家に一台と考えられていたテレビやビデオだって、いわんや電話だって一人に一台の時代になってきているわけですから、パソコンもそうですよね。我が社においても5年ほど前には一人に一台なんて持たせてなかったのですが、今では人によっては複数台を使い分けている状態です。一人一人に持たせているノートパソコンの価格は全て10万円を切ったものですが、仕事で使う上ではほとんど問題ないと言えます。

パソコン素人にはスペック表はチンプンカン

 そういえば一月ほど前友人が電話をしてきました。個人で保険外交をしているのですが、本部の方からパソコンの購入を指示されたそうです。本部からはパソコンのスペックというのを貰ったそうですが、彼にはちんぷんかんぷんでした。そこで新聞広告で安いと思ったデルに電話したそうです。話がかみ合わないと思って彼はスペックをFAXしたところ、8万円を切っていたモデルでは駄目で15万円のモデルを薦められたそうです。そんなバカなと感じた彼は電話を切ったのですが、釈然としないままに私に電話してきたわけです。彼が仕事に使うとすれば、インターネットとワープロあるいは表計算くらいだと思うから、本部はどんなスペックを要求しているのだと訊ねましたが、スペックを読めない彼には説明できません。改めて私が休みの日にやってきました。スペックを見るとWindowsXP、CPUもセレロンでも良い、少し驚いたのはメモリが512MBといったところで、取り立てて特別なことはありません。だったらデルの最初のモデルでいいではないかと言うと、このモデルでは駄目でこっちのモデルをと薦められたという見積書を見せてくれました。ハードウェアが十分なだけでなく、マイクロソフトオフィスは付いているやら、DVD-Rは付いているやら、保守契約もしっかりと入っていました。「そうだな、君のように素人を騙すというわけではないだろうが、後で色々文句を言われたくないと思ったらこんなものを薦めたのだろう」と答えておきました。結局、我が家でインターネット検索をして8万円ほどのソフト無しのハードを購入させました。古いノートパソコンには古いバージョンのワードとエクセルが入っていたと言うことだから、それをインストールしたらいいだろうと話しました。もっとも他人にファイルを送る必要もない、1枚か2枚のプリントアウトだけが必要という人なら、ワードやエクセルも必要ないでしょう。ソースネクストの1980円ソフトで十分だと思ったわけですが、これも素人にとっては知名度がないというだけで敷居が高いのかもしれません。

 本当に今日のパソコンはハードスペックやソフトスペックの幅が広がりすぎて、あまりパソコンに詳しくない人にとって見れば「最先端を買わないと直ぐに旧モデルになってしまう」という恐怖感(?)に駆られるのでしょうか。本当に自分が必要な機能とカタログスペックの関係が分かりにくいのでしょうね。

ソフトだって1時代前のもので充分

 ソフトウェアについてもソースネクストの売り上げが伸びているそうです。廃盤と言ってはおかしいかもしれませんが、古いソフトをほとんどパッケージを変えただけで発売しています。コンビニエンスストアや本屋などにも並んでいますが、インターネット販売もなかなか盛んです。ハードウェアについてもそうだったように、現在のパソコン機能はある一定のレベルに達しているため、低価格=使い物にならない、といったものではなくなってきています。ロータスの123やワードプロなどはソースネクストから1980円で発売されています。他人とデータ交換をしなくてはならないなどといった難しいことを考えなければこれで十分です。だって私はまだ上記のソフトを個人的には使っているのですから。仕事関係では互いのデータ交換の必要性からワードやエクセルを使っているのですが、それが本当に性能的に優れていて手放せないと言ったものではないのです。パソコン雑誌などでは「ソフトを徹底的に使いこなそう」なんて特集をしばしば行っていますが、今は機能が貧弱だった頃のソフトウェア状況ではありません。自分がそこそこ使える範囲を十分に活用しさえすれば十分なのだろうと最近は開き直ってきています。車の運転にしても、腕に自信がある人はマニュアル車で車の性能をとことん引き出そうとするでしょうが、そうではない人は車で曲芸をするわけでもないですからオートマ車で充分です。自分が使いたい機能を持っているハードやソフトをうまく活用したら十分だという認識を持ちさえすれば、パソコンって非常に安い道具になってしまいましたね。

DVD-ROMもCD-ROMも低価格路線

 ソースネクストの低価格ソフトもそうですが、DVDの低価格販売もDVDの普及に大きく貢献しました。新作の価格はまだまだ高いと言えますが旧作品は非常に安い価格で売り出されています。私の友人達もコピーするよりも安いと笑っている位です。旧作品とはいえ、映画館で見逃していた作品は多いわけですから、自宅でいつでも見れるDVDとして安い価格で購入できるというのはユーザーにとって見れば嬉しいことでしょう。この成功に刺激されたのか音楽CDも低価格で登場してきました。これはひょっとして団塊の世代を対象に旧作品をアレンジして発売したものかと思っていたら、若い世代にも受けているという記事を読みました。昔の価格のままなら「そこまでの金額なら止めた」と思っていた層が、「その位の金なら買おうか」と思い始めたと言うことでしょうが、1960年代以降のソフト遺産は世界的に見ても相当なものになります。こうしたソフト遺産が大衆的に出回ると言うことは新しい共通項が生み出される前兆かもしれないなと思っています。ある時代の共有する思い出が世代を作っていたわけですが、これらの共通の思い出が世代を越えて共通化すると「世代」というものはどうなるのでしょうね。情報の横溢は何を生み出すのか楽しみです。

インターネットが変えるメディア世界

 インターネット広告の取扱量が飛躍的に伸びてきているそうです。またテレビ局がインターネット配信を始めるといった記事が出ていました。楽天等のインターネット通信販売が一般的にもなってきました。ライブドアが例のニッポン放送の買収騒動を引き起こした時、フジテレビ側に「インターネットと放送を融合させる」と言う主張をしました。これに対してフジテレビ側は「成り上がり者め、そんなことはこっちも十分に考えているワイ」と答えていたことを思い出します。昔、映画産業が新興テレビ局を相手にしてそのような態度を見せていたら、そのうちに立場が逆転してしまったことがありましたが、時代の流れは確実にインターネットをメルクマールに展開し始めてきたようです。早くからインターネットの可能性に賭けて試行錯誤を繰り返しながら、商売としてはなかなか成立しない時代をうまくくぐり抜けた会社だけが生き残ってきています。時代の流れを読むのは必要なのでしょうが、時代より 番組と連動して、通販窓口への電話発信も あまりに進みすぎても商売は成立せず、今の時代だけを考えて胡座をかいていたらあっと言う間に足下を掬われてしまう、本当に時代を読む目というのは難しいものです。パソコン黎明期の頃、「目の付けどころの違うシャープ」がパソコンテレビと言ってモニターにテレビチューナーを付けて発売しましたが、結局それ以上には発展しませんでした。X6800にもその機能を付けましたが、パソコン以外にテレビが見えると言うだけではユーザーはあまり魅力を感じなかったのでしょう。本体の魅力だけでなく、テレビを越える魅力を提供できなかったからとも言えます。ところが今日、テレビパソコンは大盛況です。ハードディスク録画という付加価値が新しい魅力になったのでしょうが、一方でパソコンにはインターネットという付加価値もついてきたわけです。ホリエモンが提供しようといっている「テレビとインターネット」の融合は、昔のテレビパソコンと同じレベルのものなのか、それとも新しい付加価値を見せてくれるのか楽しみです。私にも面白いアイデアがあったら是非売り込みをしたいなと思うのですが..。

プラズマは液晶に負けてしまうのか

 薄型テレビの売り行きが好調らしいですが、液晶とプラズマの市場占有率に大きな動きが出てきているようです。薄型の台頭期には大型はプラズマ、小型は液晶と言った棲み分けがあったのですが、ここに来てシャープが次々に繰り広げる液晶の大型化の前でプラズマは大きく後退しているようです。しかも、大型化ディスプレイには今度エプソンが発売したリアプロTVも出てきました。プラズマや液晶はデバイスがスクリーンとなる直視型ですが、リアプロTVはデバイスから出た光をスクリーンで透過させて見る投射型で、まあ簡単に言えばプロジェクターのようなものですが、スクリーンの大型化が容易に出来ます。問題は画質なのでしょうが、それぞれの好みでしょうといえるほどに徐々にアップしてきています。数年前にプラズマを購入した私ですが、プラズマの苦境を知ると少し悔しい思いをしてしまいます。どうしてプラズマはシェアを落としていったのかを調べてみると、流れが流れを呼んだと言った感じですね。現在薄型テレビの購入先のほとんどが大型量販店です。見本市もそうですが、そうした量販店の店頭も非常に明るい構成になっているため、プラズマと液晶を見比べると液晶の明るさに惹かれてしまう傾向がまずあるみたいです。その上、同じ大きさならプラズマに比べて液晶の方が高いのですが、ユーザーが高価なものを購入する時店員に尋ねるわけです。「今液晶とプラズマのどちらが売れてるの?」。店員は高価な液晶を薦めます。するとこの構造はますます液晶へと流れていき、大量生産によってますます価格を落とせるといった構造に入り始めているのかもしれないと思ったのです。新聞などの市場調査のそれに乗って書かれているため、もはやこの傾向は止められないのかもしれません。私に言わせればDVDなどを鑑賞するのなら液晶よりもブラウン管やプラズマの方が向いていると思うのですが、そうした視点で客に勧める店員を見たことはありません。ちょっと薄暗い部屋で見るプラズマは私のお薦めなんですが、世の中の流れには勝てそうもありません。松下、日立頑張れよ。

RD-H1の先行予約に外れてしまった

  東芝のハードディスクレコーダーのRD-H1の先行予約をしていたところ、またもや抽選に外れてしまったようです。先行予約が販売予定台数の14,000台を超えたそうで、この予定数量から外れた人は増産する10月以降になると言う返事をもらいました。友人はこの予定数量の中に選が入ったので8月には手に入るといっていたのですが、どうも多重予約をかけていた人間も数あったらしく、7月の下旬には手に入るといってきました。どうして私はクジ運がないのでしょうかね。この話を別の友人が聞いて、10月の購入時期には多分新製品が出ていますよ、なんて悪口を言い出します。私自身もそんな予感がしていたものですから、言い返す気力も出てきませんでした。東芝さん、そんなに増産体制に時間がかかるのかい。だって、購入先が決まっているわけなんだから予約分位あっという間に作れないのかい。こんなマイナーだけれど面白い商品というのは、ある程度の販売数は確保できるものの圧倒的にメジャーとなる商品とは言い難いわけです。一般的には販売予測が出来ないから会社としては生産を躊躇するというのは分かります。しかし、こうしてインターネットで購入予約を呼びかけたところ予約が殺到したし、その数は分かっているのですからもう少しきびきびした対応が出来ても良いのじゃないかと思うのが私達素人、ユーザーなんです。賞味期限が命のIT商品ですよ、腰の軽いフットワークを待っています。


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